市大センター病院で医療事故。新生児に酸素と窒素を取り違え

Yomiuri On Lineから。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20031113it14.htm

3か月男児に酸素と間違え窒素吸入、脳に重症か

 横浜市立大医学部付属市民総合医療センター(横浜市南区)で12日、生後3か月の男児に誤って窒素ガスを吸入させていたことが13日、わかった。応急処置の結果、一命を取りとめたが、脳などに重症を負った可能性があるという。

 市大センター病院によると、事故が起きたのは12日午後。未熟児網膜症の手術のため、看護師らが男児を新生児集中治療室(NICU)から手術室に搬送しようと、移動型の保育器に移し、男児が口に付けていた人工呼吸用チューブを備え付けの機器から保育器のボンベに接続したところ、直後に男児の心拍数が低下し、呼吸が停止。心臓マッサージなどの蘇生措置を行ったが、症状が改善しないため、約40分後、チューブを備え付けの機器につなぎ換えると、心拍数などの状態が改善。ボンベを確認したところ、接続したのが酸素ボンベでなく、窒素ボンベだったことがわかったという。

 ボンベにはそれぞれ、「窒素」「酸素」と印字されており、使用前に看護師らが確認することになっているが、保育器に取り付けると、ボンベの下部は寝台の下に隠れる形になり、上部のみが灰色で下部が黒色の酸素ボンベと、全体が灰色の窒素ボンベとの区別を看護師らが十分にしなかったとみられている。

 窒素ボンベは、今年7月、ほかの乳児の治療のために使用され、そのままになっていた可能性があるという。

 男児は594グラムで出生。超低出生体重児のため、NICUに入っていた。

 杉山貢病院長は13日、記者会見し、「患者や両親、病院の利用者らにご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。市大センター病院では12日夕、院内に事故調査委員会を設置し、さらに詳しい原因を調べている。

(2003/11/14/00:57 読売新聞)

TVK Web Newsから。
http://www.tvk42.co.jp/cgi-bin/tvk-news.cgi

03/11/13(木)23:05 横浜市大病院 未熟児に誤って窒素吸わせる

 横浜市立大学医学部付属市民総合医療センターで、生後3ヶ月の未熟児の男の赤ちゃんに、手術室に向かう際、酸素と間違えて窒素を30分以上吸わせる医療ミスがありました。

 病院の説明によりますと、11月12日午後4時に、新生児集中治療室に入っていた未熟児網膜症の生後3ヵ月の男の赤ちゃんを保育器に入れて手術室に運ぼうとした際、酸素と間違えて窒素を吸わせました。

 赤ちゃんはその直後から心拍が低下し呼吸が止まったため、医師が心臓マッサージなどを施しましたが状態は回復せず、30分以上経ってようやくボンベの間違いに気づいたということです。

 病院によりますと、保育器に備えてあった窒素ボンベは、7月に別の赤ちゃんの治療に使われたということです。

 その後、手術前日の今月11日と当日赤ちゃんを運ぶ際に看護師がチェックしたということですが、ボンベの色の違いを見ないなど確認が不十分だったため、間違いに気づきませんでした。

 赤ちゃんは、脳へ行く酸素が不足する低酸素脳症にかかり、現在も集中治療を受けています。

 しかし、30分以上低酸素状態が続いたため、病院では「一般的に考えると脳に障害が残る可能性がある」としています。

FLASH24(共同通信)から。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2003111301000386

窒素ガス吸入で低酸素状態 横浜市大センター病院
 横浜市大市民総合医療センター(同市南区)は13日、生後3カ月の未熟児の男児に酸素ではなく誤って窒素を吸入させ、約37分間低酸素状態に陥る医療事故があったと発表した。
 ガスボンベの取り違えが原因で、気づいた医師が酸素に切り替えた。現在、容体は安定しているが、脳障害の可能性があり、脳低温療法で治療している。
 同センターによると、男児は8月上旬、体重594グラムで生まれ、現在は1800グラム。12日午後4時、男性医師2人と女性看護師2人が目の手術のため、男児を新生児集中治療室(NICU)から手術室に移動させようと、酸素の供給を持ち運び用ボンベに切り替えた直後に心拍数が低下、呼吸が止まった。
 心臓マッサージなどの蘇生(そせい)措置を続けたが症状が改善せず、医師がボンベを調べたところ、窒素だったことが分かった。

Sankei Webから。
http://www.sankei.co.jp/news/031113/1113sha110.htm

生後3カ月の男児に窒素ガス誤吸入、低酸素状態に 横浜市

 横浜市大市民総合医療センター(同市南区)は13日、生後3カ月の未熟児の男児に酸素ではなく誤って窒素を吸入させ、約37分間低酸素状態に陥る医療事故があったと発表した。
 ガスボンベの取り違えが原因で、気づいた医師が酸素に切り替えた。現在、容体は安定しているが、脳障害の可能性があり、脳低温療法で治療している。

 同センターによると、男児は8月上旬、体重594グラムで生まれ、現在は1800グラム。12日午後4時、男性医師2人と女性看護師2人が目の手術のため、男児を新生児集中治療室(NICU)から手術室に移動させようと、酸素の供給を持ち運び用ボンベに切り替えた直後に心拍数が低下、呼吸が止まった。

 心臓マッサージなどの蘇生(そせい)措置を続けたが症状が改善せず、医師がボンベを調べたところ、窒素だったことが分かった。

 窒素が灰色、酸素が黒色とボンベを色分けしているが、医師が確認を怠ったとみられる。

 杉山貢病院長は「基本的な確認を怠ったミスで、男児や両親に大変申し訳ない」と陳謝した。

NIKKEI NETから。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031113AT1G1302813112003.html

生後3カ月の男児に窒素を誤吸入・横浜市大病院
 横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター(同市南区)で、生後3カ月の男児が12日、未熟児網膜症の手術を受ける際、酸素と間違えて窒素を37分間吸入させられていたことが分かった。医師や看護師が保育器に装着された窒素ボンベを酸素ボンベと勘違いし、十分にチェックをしていなかったという。男児は生命の危険はないが、低酸素脳症の可能性があり、現在集中治療を受けている。

 同センターの杉山貢病院長は13日夕、市役所内で記者会見し、「このような医療事故を起こし、患者や家族に大変申し訳ない」と謝罪した。

 同センターによると、男児は8月に594グラムで生まれ、新生児集中治療室(NICU)に入院した。12日午後4時、未熟児網膜症の手術を手術室で受けるため、ベッドから移動用の保育器に移された。

 その際、医師2人と看護師2人が保育器に装着された窒素ボンベを酸素ボンベと思い込み、男児に窒素を吸わせた。5分後、男児の呼吸が停止したため、医師らは心臓マッサージなどをしたが、誤吸入には気づかなかった。 (21:00)

Mainichi INTERACTIVEから。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031114k0000m040119000c.html

医療過誤
目の手術で未熟児が呼吸停止状態 横浜の病院


 横浜市立大学センター病院(同市南区)は13日、生後3カ月の未熟児の男児が目の手術を受ける際、酸素を吸引させるところを誤って窒素を吸わせ、男児が約40分間、呼吸停止状態になっていたことを明らかにした。現在、男児の状態は安定しているが、脳に重い障害が残るおそれがあるという。

 同病院によると、12日午後4時ごろ、新生児集中治療室から男児を手術室に運ぶ際、移動用の保育器に取り付けられていた窒素ボンベを使ってしまい、男児は約5分後に心拍が低下し呼吸が停止した。当初、医師や看護師は窒素の吸引に気付かず、心臓マッサージなどを行ったが、症状は改善されなかった。しかし約40分後、窒素ボンベが取り付けられていることが分かり、酸素の吸入に切り替えたところ症状は改善した。

 保育器には今年7月に別の手術で使った窒素ボンベが取り付けられたままになっていた。今回の手術前日と当日のチェック時にも、医師や看護師は気付かなかったという。今田敏夫副院長は「基本的な確認が行われていなかった。ご迷惑を掛け、申し訳ありません」と謝罪した。【広瀬登】

毎日新聞11月13日] ( 2003-11-13-22:23 )

asahi.comから。
http://www.asahi.com/national/update/1113/030.html

酸素と間違い乳児に窒素吸入 横浜市大医療センター

 横浜市大医学部付属市民総合医療センター(横浜市南区、杉山貢院長)で12日に、生後3カ月の男児が酸素と間違って窒素を吸入させられ、呼吸停止状態に陥っていたことが13日、わかった。命に別条はないが脳障害が残る可能性が高いといい、病院側は過誤を認め両親に謝罪したという。

 病院側が13日明らかにした。それによると12日午後4時ごろ、未熟児網膜症の治療のため、男児を集中治療室から手術室へ移す際、保育器に装着されたボンベ内の気体を吸入させたところ、5分後に呼吸停止状態となった。約30分後、吸入させていたのが酸素ではなく窒素だったことに気づいた。酸素を吸入させ、容体は改善したという。

 病院側は、7月に同じ保育器に窒素ボンベを付けて使用したことを明らかにした上で、「窒素ボンベがついたままだったのに、酸素ボンベがついていると勘違いした可能性が高い。手術前日と当日に確認したが気づかなかった」と説明した。

 会見で杉山院長は「患者やご両親に深くおわび申し上げたい。再発防止に努めたい」と頭を下げた。 (11/13 22:13)